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環境に配慮した化粧品作りの取り組み

地球温暖化における気候変動は、

わたしたちの生活基盤である地球の持続可能性を及ぼす

原因となっていることは皆さんご承知のことと思います。

この問題について、世界各国間で様々な会議が執り行われてきました。

その結果、2015年に国連サミットで採択された、SDGsが注目され、

様々な場面で目にするまでに浸透しました。

 

 

まずは、SDGsについて改めて確認していきたいと思います。

 

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は持続可能な世界を実現するため、

17のゴールと169のターゲットから構成されている、国連が定めた2030年までの国際的な目標です。

また、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。

詳細は、外務省のWebサイト(JAPAN SDGs Action Platform)https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/をご覧ください。

 

化粧品業界の具体的な取り組み・容器について

容器のサスティナブル(維持できる)化などとも言いますが、

環境に配慮した容器開発への取り組みが活発になってきています。

具体的な取り組みとして

「リユース可能」「リサイクル可能」「バイオマス・生分解可能」に分類分けができます。

 

◆リユース可能

いわゆる「つめかえ・つけかえ」が可能な容器のことを指します。

容器本体をそのまま再利用し、内容物が充填された容器のみを再購入することにより、

プラスチックの使用量を削減できます。

化粧品国内シェアNo,1の資生堂では2020年、

53ブランドで「つめかえ・つけかえ」容器を提供されています。

出典:https://corp.shiseido.com/jp/sustainability/env/action3.html

 

◆リサイクル可能

使用済み容器を回収し、洗浄、粉砕された後、

ペレット(プラスチック素材)にリサイクルされ、

新たな資源として活用される仕組みのことを指します。

化粧品・日用品メーカー4社(コーセー、資生堂、日本ロレアル、P&G)が

協働し使用済み容器の回収リサイクルを促進する

「グラムビューティークリサイクルプログラム」をはじめ、各社様々な取り組みを行っています。

一般的なリサイクルPETは再生を繰り返すことにより劣化が生じ、

品質を保つことが難しいとされてきました。

 

無添加化粧品でおなじみのファンケルでは

ケミカルサイクルという技術でつくられた100%再生由来のPET素材に切り替えを行っています。

このケミカルサイクル技術は石油由来のバージンPETと同様の品質を有することができ、

品質の劣化という再生PETが抱えていた問題の解決を期待されています。

また、かつてよりリサイクル素材を使用し生産されているガラス容器も見直され始めています。

◆バイオマス・生分解可能

容器に使用する樹脂の素材を工夫し、環境汚染などに配慮した容器のことを指します。

バイオマスプラスチックと生分解性プラスチックがありますが、

両者は同じものではありません。

バイオマスプラスチックはトウモロコシやサトウキビなど、

植物由来の原料を利用して作られています。

フランスの高級ブランド・CHANELも2022年1月に発表したスキンケア製品のキャップに、

生分解性のあるバイオマスプラスチックを採用しました。

一方、生分解性プラスチックは微生物によって自然界で分解され、

CO2と水になるという性質を持つプラスチックのことを指します。

精力的に採用が広がっており、資生堂はカネカと共同で100%植物由来のバイオポリマー

「カネカ生分解性ポリマーGreen Planet™」の開発を行っています。

 

化粧品業界の具体的な取り組み・副資材について

商品を保護する、高級感を持たせる意味合いで採用されることが多い化粧箱。

いわゆる厚紙を採用するのですが、この紙にも環境に配慮した種類があるのをご存知でしょうか。

ゴミの削減、資源の有効活用という点で再生紙が存在するのですが、

リサイクルの繰り返しによる品質の劣化や製造過程で発生する二酸化炭素など、

様々な面で問題視されてきました。

また、紙の材料である木材の違法伐採や適切な管理がなされていない人工林から

過剰に伐採された木材などがごく一部ではありますが存在します。

 

この様な様々な問題をクリアにするため1993年10月にカナダ(現在の国際本部はドイツ)で

 FSC®(森林管理協議会)が設立されました。

国際基準であるFSCは、10の原則と70の基準に基づいて認証審査が行われています。

このFSCから認証を受けた紙は、適切に管理された森林の木材のみを使用しているので、

違法伐採された木材は使用しませんし、生産・加工・流通など各工程に関わるすべての企業が

認証を取得するので、途中で木材が混ざってしまうことはありません。

このように一貫した管理で生産された紙がFSC認証紙なのです。

 

日本を代表する日用品メーカーである花王は、

2018年に「FSC認証材の調達宣言」を日本企業6社と共同で発表しています。

持続可能な紙製品を調達するため、具体的な目標を掲げ、活動を行っています。

これはSDGsのゴール12・ゴール15を達成することを目指し、

消費者にFSCマークのついた製品を選ぶ重要性を伝えていく役割を果たしています。

持続可能な地球を目指して技術や制度が整備され、

SDGsという目標に向かい様々な企業が取り組みを始めています。

 

生産者と消費者が同じ認識をもち、サスティナブルな世界を目指していきましょう。

 

企画課 S.O.

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